平田の伝統【一式飾り】とは!?アマビエも登場
2020/07/22歴ノ風景
出雲三天神と呼ばれる平田天満宮の例祭は
「天神さん」と呼び親しまれ、
毎年 7 月 20 日、 21 日の二日間にわたり
宇美(うみ) 神社で行われます。
21日には毎年「おたび神事」「おたび行列」が
行われています。
(今年は新型コロナウイルス感染防止の為中止となっています。)
「おたび 」の起源は、江戸時代の
宝暦 2 年(1752 年)に平田に疫病が流行した時、
‟ 町内に御幸(お た び) されれば疫病も止むだろう ”
とのおつげを受け、御神体をもって町内を回る「おたび」
の始まりとなったと伝えられています。
そして、この「おたび」をお迎えするのが
『一式飾り』です。
一式飾りとは、皿や陶器、茶器などを使って
人物や物語の場面などを組み立て再現する地元の民俗芸術です。
寛政 5年(1793 年)に再び平田に疫病が流行した際に、
平田天神への信仰にあつかった地元の表具師・桔梗屋十兵衛が、
悪病退散を願い、茶道具一式で作った大黒天を平田天満宮に
奉納したのが始まりとされています。
さて、鉄筋などで作品の骨組みを作り、針金で皿や陶器を絡めて
どのような飾りができるのでしょうか⁉
実際の一式飾りがこちらです
↓↓↓
神話、おとぎ話やテレビ等で話題になったものなどの
一場面を表現されています。
そして疫病退散といえば。
今、疫病を鎮めるとされ話題になっているのが
半人半魚の妖怪 “アマビエ ” 。
新型コロナウイルス感染症拡大防止を願う
マスコット的な存在として、
全国各地でグッズが作られたりしていますね。
“アマビエ ” は、江戸時代後期、1846年(弘化3年)4月中旬に、
肥後国(現在の熊本県)熊本御領分真字郡の
海中から出現し、猿のような声で6年間の諸国の豊作と、
流行病による死者続出を予言し、続いて
「自分の姿を描き写す者には害はない」
と告げて海中に戻ったといいます。
『水木しげるの続・妖怪事典』では、
「海中からいきなり出てきて予言などというのは
やはり神に近い妖怪なのであろう」
とつづってあるそうです。
そんな “アマビエ ” の
一式飾りが登場しました!
本体を「平田一式飾り保存会」の皆さんが制作され、
うろこを表現するためのお皿に親子連れにメッセージを書いてもらい、
アマビエの胴体に組み合わせ姿を作り上げる、
という体験イベントが行われ完成した “アマビエ ” です。
うろこの一枚一枚に、願いが込められています。
ちなみに、宇美神社の境内にも、一式飾りがあるそうです。
全部発見したら良いことがあるかも!?
独特な一式飾りですが、
疫病退散の願いから始まったと聞くと、
見方が少し変わりそうです。
江戸時代から続く伝統を、残していきたいですね。