くにびき神話
2017/02/13神々の國出雲
出雲では、毎年2月11日出雲市主催の「出雲くにびきマラソン大会」が行われます。
県内外からたくさんのランナーが参加する、山陰の冬最大規模のマラソン大会です。
第36回大会になる今年は、大雪のため残念ながら中止になりました。
第1回大会翌年には「第37回くにびき国体」がしまね県で行われています。
出雲ではなぜ「くにびき」という言葉を使うのでしょう。
神話の国、出雲ならではのロマンあふれるお話です。
出雲の国ができたばかりの頃、とても大きくて力持ちの八束水臣津野命(ヤツカミズオミツヌノミコト)という神様がいました。
舌をかみそうですね。
出雲の国が細長くてとても狭く小さい国だったので、新羅(しらぎ)の国の余った土地を大きなクワで切りはなし、出雲の国へ引き寄せつなげました。
その時、
つなげた土地が
出雲大社から日御碕(ひのみさき)にかけての場所
引き寄せるために使った綱が
出雲大社西方の稲佐(いなさ)の浜から大田市への海岸線
土地が流れないように綱をくくりつけた杭が大田市の三瓶山
どこも現在では観光スポットとして、とても美しい景色が楽しめる場所です。
その後もいろいろな土地を引き寄せたので、出雲地方の各地にはつなぎとめた要石(かなめいし)が残っています。
こうして出雲の国はだんだんと広い国へとなったのです。
とても雄大なお話だと思いませんか?
出雲市西園町には八束水臣津野命を祭神とする長浜神社があります。
地元では「くにびき」の神にちなんで、直径 8.4m、長さ 4m の綱を使った「ジャンボ綱引き大会」が行われます。
力自慢たちが網を引き合い「くにびき」の気分を想像しているのかもしれません。
私たちは土地を引きよせるかわりに、
好運を引きよせてつなぎとめたいですね。
長浜神社にお願いに行かなくては。